2024/8/6 16:34
小口径鋼管杭工法にデメリットはある?メリットも含めて解説
これから家を建てようと考えているけれども、最近、台風や大雨、地震が頻発していてなんだか心配……という方も多くいらっしゃるかと思います。
安心安全な住まいを建てる第一歩は地盤から。
もしも地盤が良くなければ、どれほどカッコイイ家を建てても、宝の持ち腐れになってしまいます。
けれどもどうしても家を建てたい土地があり、そこの地盤がちょっと心配……という場合もありますよね。
そんな場合は、地盤調査を依頼しましょう。
そして結果に応じて地盤改良工事を行うことで、地盤の弱点を補強することが可能です。
その地盤改良工事の方法には、大きく分けて、表層改良工法、柱状改良工法、小口径鋼管杭工法という3種類があります。
そのうちの「柱状改良工法」については、以前のブログでも詳しく解説しました。
今回は、「柱状改良工法」と同じくポピュラーな「小口径鋼管杭工法」について紹介します。
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■小口径鋼管杭工法ってどんな工法?
鋼管杭とは、建物の地盤が軟弱な場合に地中に打ち込む鋼製の杭のことです。
この鋼管杭を垂直に地中に打ち込むことで、地盤上の構造物を支えるのが、「鋼管杭工法」です。
古くは丸太を打ち込んでいたものですが、技術が発達して鋼管を使うようになりました。
その鋼管杭工法には、いくつか種類があります。
代表的なものが、小口径鋼管杭工法(しょうこうけい・こうかん・くいこうほう)です。
これは口径が101.6~267.4ミリの鋼管杭を用いる工法のこと。
地震などによる液状化の影響を受けにくいというのが特徴です。
また、軟弱地盤が8mを超える場合に用いられ、都市部や狭小地における施工に適しているという特徴もあります。
■小口径鋼管杭工事のデメリットとは?
小口径鋼管杭工事には、メリット・デメリット両方があります。
まずはデメリットから解説しましょう。
◆デメリット1 費用が高い?
鋼管杭工法は、使用する長さに応じて施工費用が変わってきます。
建設現場の状況にもよりますが、深い地盤を改良する場合は、費用が高くなってしまう可能性もあります。
また、コストがかかると言われる理由がもう一つあります。
小口径鋼管杭工事は、地盤内に鋼管杭を埋入するので、もし将来土地を売却することになれば、地中の鉄鋼杭を撤去しなければならないことも。
当然、撤去するための費用や手間がかかってしまいます。
◆デメリット2 騒音や振動が発生することも?
小口径鋼管杭工事は、地盤の深いところまで貫入させるもの。
そのため、施工時に騒音や振動が発生しやすく、ご近所からクレームが出てしまう、ということも。
もし小口径鋼管杭工事を選ぶなら、きっちり事前に根回しができるような、気配りができる地盤改良工事のプロに依頼したいものです。
◆デメリット3 地盤によっては工事できない
小口径鋼管杭工事は、軟弱地盤の下に支持層となる硬質な地盤があることが前提となります。
したがってあまりに軟弱地盤から硬質地盤までが深かったり、そもそも硬質地盤がない土地では、施工できない場合もあります。
■小口径鋼管杭工事のメリットを解説!
もちろん小口径鋼管杭工事にはメリットもたくさんあります。
◆メリット1 小型重機で工事が行えて狭小地もOK!
コンクリート杭を使う柱状改良工法の重機が大型になりがちなのに対し、小口径鋼管杭工事は、小型重機による施工が可能です。
したがって、街中や細い道に接した敷地、狭小敷地でも工事可能。
重機は一般的に大きいほうがコストも高くなってしまうので、小型重機を使えるということは、費用面でもメリットがあります。
◆メリット2 工期が短くリーズナブル
一般的にコンクリート杭の工事には3カ月ほどかかりますが、小口径鋼管杭工事の場合は1~2カ月と短期間で施工ができます。
工事期間が短くなるということは、人件費もそれだけ安くなるということ。工事コストをより安価に抑えることができます。
◆メリット3 耐震性能が高い!
鋼管杭は素材の強度が大きいのが特徴です。
したがって、大きな打撃力にも耐性があり、重量のある構造物を支える力が強いとも言えます。
コンクリート造のような重量のある建物はもちろん、最近では木造住宅でも小口径鋼管杭工事で地盤補強をするケースが増えてきました。
◆メリット4 環境に優しく資産価値の面でも高評価?
地盤改良工事でしばしば登場するのが、セメント系固化材ですが、気候や状況に応じて、毒性を有する六価クロムが発生する懸念があります。
しかし小口径鋼管杭工事の場合はセメント系固化材を使用しないので、六価クロムの発生リスクがありません。
したがって、土地の資産性が低下しにくいというメリットも。
周辺の土壌にも悪影響をもたらすリスクを抑えられます。
■鋼管杭工法は他の工法はどう違う?
ちなみに、小口径鋼管杭工事以外にも、杭を使った地盤補強方法は他にもあります。
ポピュラーなものを紹介しますね。
◆鋼管ソイルセメント杭工法
地盤にソイルセメント(セメントと現地の土を混合したもの)で柱をつくり、その中にリブ付きの鋼管を挿入する方法です。
構造物を支える力が強く、杭の本数を少なくできるのがメリット。
また現地の土を使うため処理しなければならない残土が少なく、環境にもコスト的にも優しい特徴があります。
さらに孔壁の崩壊リスクや周辺地盤への影響が低い傾向も。
鋼管杭工法より安く施工できるのですが、撤去費用は非常に高額というデメリットがあります。
◆既製杭工法
既製の杭を使う方法で、鋼管、H形鋼材、鉄筋(RC)などの種類があります。鋼管杭も分類的にはこの一種になります。
あらかじめ工場で製造された杭を現場に運んで打設するので、杭の品質のバラツキが少ないのがメリット。一定の品質を確保できます。
◆木杭工法
1900年代から鋼杭が使用されるようになるまで、杭にはもっぱら木が使われてきました。
歴史は古く、紀元前5000年とされるものも確認されています。
鋼管杭工法と比べるとコストは安いのですが、耐久性や強度は劣り、腐食のリスクもあるのでそれほど使われることはありません。ただ使われる場合は、防腐加工を施し、含水量が多い軟弱粘土層では半永久的に耐久力性を持続すると言われています。
ちなみに現在のお台場は江戸時代末期に建造された品川台場ですが、現在も創建当時の松の木杭が現役で史跡になっています。
東京・丸の内の丸ビルの松杭も、理想的な温度・湿度が確保され、驚くほどの鮮度で回収されたそう。
現在も展示されているので、丸ビルやお台場に行く機会のある方は、一度ご覧になってみることをおすすめします!
■地盤調査・改良工事はランドプロへお任せください!
小口径鋼管杭工事は、地盤調査の経験豊富な信頼できるプロフェッショナルに依頼するのがキホン。
千葉県船橋市を拠点とした関東一円と、名古屋を中心とする中部エリアで地盤調査・改良工事を手掛けるランドプロは、小口径鋼管杭工事の実績が多数あります。
小口径鋼管杭工事がよいのか、柱状改良工法がよいのか、どちらにしてよいかわからない……という方が多いことかと思いますが、最適な地盤補強工事をご提案いたしますのでご安心ください。
またランドプロでは調査から施工までを一貫してワンストップで対応しています。
下請けを入れないので余計な費用を抑えるだけでなく、正確で緻密な試験・施工に定評があります。
加えて、地盤調査や地盤改良工事に必須の機材や重機は自社で保有しているのもランドプロの強みの一つ。
重機を他社からレンタルする必要がないため、お客様のご要望に合わせて柔軟かつ迅速な対応が可能です。
さらに、本来ならばレンタル料分上乗せされる経費がゼロのため、その分リーズナブルな料金体系での見積りにも対応!
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